債券流通市場における中核的役割

国債市場は、財務省の入札に証券会社等が応じる「発行市場」と、発行された国債を購入した投資家や証券会社等が売買を行う「流通市場」から構成されております。
我が国の債務管理政策では、①国債の確実かつ円滑な発行と②中長期的な調達コストの抑制を基本目標として掲げており、こうした目標に沿って「発行市場」を運営するには、透明性や流動性が確保された「流通市場」の存在が必要不可欠となっております。

国債の主要な保有者である銀行・生損保・年金等の投資家が売買を行う場合、銘柄の多さに伴う取引や事務の多様性、売買内容の複雑さ等から、証券会社等との相対の取引が主流となっておりますが、戦後長らく、流通市場は証券会社別の縦割り市場となっており、証券会社等がポジションを調整する機会に乏しく、取引価格の透明性も欠く状態となっておりました。
こうした状況を解消し流通市場の整備を図るため、当社は、1973年2月に大蔵省(当時)の諮問機関である証券取引審議会の答申に基づき、証券会社等が相互に売買を行う場(業者間取引)として、国内大手証券を中心とした約90社の共同出資により設立されました。

以来、当社は業者間取引における債券PTS運営業務により、業者間市場に透明性・流動性を提供するとともに、情報ベンダーを通じたマーケット情報の提供により、流通市場全体の流動性向上に努めております。

 

A 債券取引

債券PTS運営業務

PTS(私設取引システム)運営業務として、当社が売買の相手方となって売り方と買い方の注文を対当させることにより、債券取引の仲介を行っています。売買の相手方はすべて当社となりますので、取引の匿名性と安全性が確保されます。国債については、電子取引システム「BB Super Trade」をベースに、すべての年限のアウトライト取引、入替え取引等に高い流動性を提供し、市場参加者皆様の様々なニーズにお応えしています。

BTT

BTTは本邦初の債券電子プラットフォームとして1986年に運用を開始しました。取引執行機能と情報配信機能を備えたBTTは、導入以来30年間に亙り、市場参加者にとって不可欠な取引ツールであり続け、金融市場の重要なインフラとなっています。BTTは、金融機関のオーダーマネジメントシステムを接続するFIXインターフェース、リアルタイムのデータフィードサービスであるBIS(Bond Information Service)とともに、当社が運営する国内最大規模の債券取引ネットワークシステムの中核として、毎年数百兆円に上る取引を執行しています。

一般債取引

国債以外の一般債の流動性向上にも大きな役割を果たしています。地方債、政府保証債、財投機関債、社債等の注文を、経験豊富な当社トレーダーが、信用リスクや需給動向など様々な状況を捉えながら、約定に結び付けていきます。

 

 

B 情報サービス

公社債の業者間流通市場を構成する証券会社および銀行等金融機関の大半が、当社のシステム・センターと専用回線で接続されています。
当社は、ネットワークを活かして多岐にわたるインタラクティブなトレーディングツールを提供するとともに、専用端末やインターネットを通じて、出来値等の情報を刻々と内外の市場に発信しています。

マーケットデータ

当社で取引された債券の約定価格「出来値」を情報ベンダーや新聞等を通じて公表しています。厚みのあるマーケットで生み出される出来値は高い信頼を得ており、マーケット参加者だけではなく、公的機関・学術機関の各種統計や論文にも活用されています。

BB国債価格(引値)

当社における取引情報をもとに、午後3時時点の価格をBB国債価格(引値)として算出し、毎営業日、発表しています。
日々の債券売買の参考値や投資信託の基準価格算出用データ等として、マーケットで幅広く活用されています、出来値と同様に広く公開され、海外市場に対しても情報ベンダー各社を通じて配信されています。